中毒性表皮壊死症 TEN
原因薬剤摂取後,高熱,全身倦怠感とともに紅斑や水疱,びらんが出現し,急速に全身に拡大する.Nikolsky現象が陽性となる.粘膜疹を伴い,早期に治療しないと予後が悪い.わが国ではびらんが全身の10%未満の場合をStevens-Johnson症候群,10%以上の場合を中毒性表皮壊死症と診断するが,本質的には同様の疾患である.
被疑薬:非ステロイド性抗炎症薬(頻度高)、ペニシリン系抗菌薬
TENの原因は薬剤によるものが最も多いが,ウイルス性などでも起こりうる
【身体所見】
ニコルスキー現象
びらん
発熱(全身症状)
角膜障害
また眼症状を伴う場合は失明の危険性
口唇の発赤と全身の紅斑、紅斑の上に水疱とびらんが急速に拡大(→重症薬疹の徴候)
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【診断】
被疑薬投与後,数日で多形紅斑が出現,融合し,徐々に中央部が水疱となり,紅皮症に至る.その後びらんが多発する.多形紅斑が多発した状態(Stevens-Johnson症候群)からTENに移行する.概ね,水疱およびびらんが全身の30%超えた場合や,Nikolsky現象陽性となった場合にTENと診断する.
【治療】
被疑薬の中止
副腎皮質ステロイドパルス療法(免疫学的機序により全身の炎症を抑える目的)
→病勢を速やかに抑える
パッチテスト:接触皮膚炎や薬疹の原因検索のため